(有)嫁人 代表 岡田美佳氏 フォトウェディング 結婚式プランニング
設立2006年3月9日
Q:SOHOに入居されたきっかけは何だったのですか?
私は京都の太秦で生まれ育ちました。当時は結婚式の着付けや髪結いも一般の美容室での日常の風景で、母親が美容室を開いていたこともあり、いつも傍で見ていました。ですからいつかはこの仕事に関わるのだろうなという刷り込み的なものもありました。でも、実際は学校を卒業してからは赤十字病院に勤めて、大病院のなかでクラーク(診療助手)として患者さんの診療科をまたがった診察や検査・手術などのコーディネートを長くやっていました。でも、ある年の11月に母が病気になって翌年の成人式の着付けなどが出来なくなりそうになりました。「これはやばい、私が着せなあかん」ということになって、急遽着付け教室に毎日通い詰めて着付けできるようになりました。成人式の次はお嫁さんという流れでしょうか。結局、人のお世話をするのが好きだったのかも知れません。
嫁人は2006年に設立したのですがしばらく身の丈に合わない家賃の高いビルに入居していました。会社設立のために草津商工会議所に相談に行ったときに当時の相談員の川島さんから広告のチラシを作ったほうがいいとアドバイスされ、「(チラシを制作する)セミナーを草津SOHOでやっているから受けたら?」と言われて行ったのがきっかけです。そこで知り合いになった当時のIMさん(インキュベーションマネージャー)に薦められその後、入居の審査を受けることになりました。同時に何人か審査を受けておられる方がおられたのですが、皆さんパワーポイントでプレゼンされているなかで私はアナログで資料をもとに説明して・・・。
審査委員の方は「ブライダル??」ってさっぱり、結婚のアルバムを売るビジネスモデル?という方がほとんどでしたがIMさんのサポートもあって理解いただき、無事2006年の11月に入居できました。
Q:入居後はどのように活動されていましたか?
その当時SOHOでは地下で毎日のようにビジネスカフェと呼ばれる各種セミナーが活発に行われていました。また、弁当を持ち寄ってランチ会などもあり入居者同士のコミュニケーション作りも活発でした。そんな時期に入居企業が協力して「イベントをやってみよう」ということになりました。アドバイザーのメンバーにTV局のアナウンサーがおられて、エルティの地下で結婚式をやろうということになりました。結婚式後、商店街にパレードを繰り出すことに。これを県内TV局2社と新聞4社が取材し、「起業家たちの手作りの結婚式」と話題になりました。これがきっかけで本格的にブライダルの世界に入りました。
当時はハウスウェディング全盛期だったのですが、わたしは花嫁のコーディネート企画をやりたいと思っていました。また、このイベントにテレビ局の方が来ておられたことがご縁でテレビ局にタレントさんや出演者さんなどのメイクで出入りさせてもらうことができ、いろいろなご縁をいただいたと思っています。仕事でタレントさんのロケに常時同行し、送迎する仕事にも巡り合うことができ、ここで裏方の仕事の基本として事前にロケ地の下調べや所要時間のシミュレーションを行うことの大切さを知り、クライアントとの信頼関係も築くこともできました。
ブライダルのほうは某ホテルの婚礼に偵察?を兼ねて見に行ったのですが、衣装・美容・写真のセットで入らせてほしいとお願いすると「面白い奴やな」と思われたのか、幸いにも入れさせていただき現在もお仕事を続けさせていただいています。テレビ局の仕事もブライダルの仕事もSOHOに入居したからこそいただいたご縁のおかげかなとも思います。また、SOHOでは借りた部屋にいっぱいの衣装を準備し、相談に来られた方に衣装の奥から返事して(笑)、あれやこれやと衣装合わせを行っていました。その時に使っていた鏡は今も大切に使っています。このように草津SOHOに入居したことが今のわたしにつながっていると感じています。
Q:今後の計画についてはどのようにお考えでしょうか?
歳のほう重ねてきましたので(笑)、ブライダルの仕事にはだんだんと向かなくなってくるんじゃないかと引退も考えることもあります。でも、一方で最近京都の高台寺の近くに一部屋借りて、そこから着付け、メイクをしてそのまま写真撮影に行ける企画を考え、実行中です。京都でこのようなことが出来たらやりたい人も結構おられて受けるんじゃないかと・・・。
今までこの仕事をやってみてわかったことですが、結婚というのは両家それぞれにドラマがあり、事情もあります。それを私がご両家からお話を伺い、調整しプロデュースさせていただくことで満足を得てもらうことではないかと思っています。これらを十分理解したうえで美容・着付け・写真の各スタッフとのコミュニケーションを取りつつ進めることでご両家の満足や笑顔を得ていくことに達成感を感じています。
岡田さん、インタビューありがとうございました。お話を伺ってきて、岡田さんは「奉仕する人」=「奉仕することに喜びを感じる人」という印象を受けました。病院勤務時代から現在に至るまで自分の関わる人たちを幸せにすることでやりがいを感じられているような気がします。今後も多くの人の幸福に寄り添ってくださいね。