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コラム#8

☘️経営者としての資質と責任☘️

 小さいながらも起業して一国一城の主として踏み出す経営者の方も多いことだろう。だが、この厳しい経済環境の中、ちょっと舵取りを誤れば小さな企業などいとも簡単に吹き飛んでしまう。4年前のコロナ禍の時がいい例である。飲食業を中心に多くの店舗が成り立たなくなって、閉店、倒産した店舗を目にしたことがあるだろう。補助金という麻薬?で何とか生き永らえた企業もあることにはあるが・・・。

 

 こんな中で昨年の年末に社員に対する給与の未払いから始まり、関連する取引先やはては社員から特別徴収した年金保険料や住民税も未払いで経営者が飛んでしまった。年末年始を控えた時期に社員は慌てたに違いない。彼らは未払給与の支払いを求めて、労働基準監督署に訴えたが国の制度で立て替え払いが行われたのは3か月余りあとのことであった。その間、正規の退職でないため、離職票の交付もされず、再就職のための活動もままならず、健康保険など社会保障からも見放されることとなった。

 

 経営者に問い詰めるも給料は責任をもって支払うとのことであったが、いまだ支払われた形跡はないし、元社員に対する謝罪の姿勢も見られず、姿を消している。

 

 その一方で経営者は贅沢の限りを尽くし、ブランド物の服装で身を飾り、高級車を乗り回していた。あとでわかったことだが希望する車種をリース業者に探させ、納車させた挙句にリース料金を1度も払っていないという厚顔ぶりである。

 

 すべての行為が常識を逸脱している。もちろん、業績が良ければ、いいものを着て、いいクルマに乗っても構わないのだが、自分が企業の経営者として、社員の生活や取引先など多くの利害関係者や行政機関との関係があることの意識が欠落している。社員に対する給料の未払いに関しては、土下座してでも謝罪し、個人の財産を処分してでも支払うべきである。この人、自分最優先で何かあれば他人の責任、自分に対して指を指せないヒト(=自分を見つめ、見直すことが出来ないヒト)なのである。

 

 結論として、企業経営者になるということは社員の生活にも社会に対しても責任を負うということなのである。

そのうち、このような放漫経営者にはまもなく鉄槌が下されることであろう。