<やっちまった!?日産>
最近、日産の業績や工場の閉鎖に関するニュースが世の中を賑わしている。過去にも同じような場面でカルロスゴーンの登場で業績上向きとなったが、その後ゴーンの報酬不正問題で訴追されるもまんまと国外に逃げられてしまった。
ゴーンが登場したときも日産は同じような状況で、売れるクルマもないのに工場の稼働率を上げるためにあたりかまわず生産を続け、在庫の山となった。こうなれば大幅値引きで販売するしかない。そうなると利益は減って台数でカバーしなければならないが、残念ながら商品力がないため売れない。このような悪循環であった。
そこで今回のように生産能力を絞り(当然リストラがついて回る)、従業員には痛みのある改革になるのである。日産は学習能力がない!?
昔は日産も魅力的なクルマがたくさんあった。筆者などに言わせれば「スカイライン」が典型的な例であろうし、ブルーバードなどはラリーなどのモータースポーツで名を馳せていた。また、バブル期には「シーマ現象」と言われた大型高級車の流れも作った。
個人的な意見であるが、この頃から日産は排ガス規制でパワーの無くなったエンジンを大排気量化し、ボディーも大型化していく。件のスカイラインも基は2リッターが主流だったのが、3.5リッターなど大排気量化していく。当然、価格も高くなる。ユーザーには手が出しにくくなる。商品デザインもトヨタ車と比べ、あか抜けないデザインが多かったように思う。トヨタが「いつかはクラウン」などという憧れを持ったセールスを行ったのに対し、日産にはそんな車は皆無?である。
トヨタのプリウスに代表されるハイブリッド車に対し、日産はリーフなど電気自動車で対抗するも、連続走行距離などの問題がネックとなり、販売は振るわなかった。
トヨタにはアルファードやランドクルーザーなど納車まで何か月もかかる人気車種が多い一方で、日産の社員からは(日産には)「ほしいと思う車がない」「売れるクルマがない」とぼやかれる始末である。
なぜ、ここまで差がついたのか?日産の体質なのか?現場の声が届かない社風なのか?取締役の数を見て驚いた。これでは意思決定に時間がかかるばかりか、退任役員の慰労金を見ても責任論はそっちのけでお手盛り状態である。今までに経営が傾いた企業で同じようだったのがかつての「東芝」である。株主総会で壇上に上がった取締役の人数を見て驚いたものである。こんな会社はまともに機能しないと思ったものである。
日産はこれから国内外のいくつかの工場を閉鎖し、何千人もの雇用を奪ってしまう。
企業経営者はこれらの従業員の痛みを身に刻まねばならない。
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