<「KY」って?>
筆者は製造業出身である。直接製造現場に出ることはほとんどなかったが、製造現場では機械などを扱うため、労働災害(短縮して「労災」と呼ぶ)が発生することがある。
軽度なものであれば、消毒して絆創膏を貼ればよいような「赤チン災害」といわれるものから労働者の死亡という最悪の結果をもたらすものまである。起業や創業という点からは少し外れるが今回少し話しておきたい。
労災はこれに遭った労働者が痛い目をすることはもちろん、企業にも次年度の労働保険の保険料に跳ね返るペナルティもあるし、企業や事業所の責任者にとっては労災を頻発させる会社や事業所というレッテルを労働基準監督署から貼られかねない。そこで労働安全衛生法では一定規模の事業所に対し、安全衛生委員会を設置し様々な対策を講じることを求めている。
労災が起こる原因はいくつかあると思われるが、大部分は”ヒューマンエラー“といわれる人間の不注意や思い込みによるものである。
そこで企業では「KY活動」というものに力を入れて、労働者の危険に関する感性をあげようとしている。KYというと何年か前に「空気読めない」の頭文字をとってKYと揶揄されたことがあったが、「KY活動」のKYとは「危険(K)」「予知(Y)」の頭文字をとってそう呼んでいるのである。
企業内では「KYT(危険予知トレーニング)」を行い、危険に関する感性を磨く訓練を行うところが多い。ある作業を行う前に関係者が集まって、この作業を行うに当たってはどのような危険が潜んでいるか意見を出し合い、一番可能性の高そうな要因をその日の作業のポイントとして呼称してからその作業を行う。これにより大幅な安全意識が高まるのである。
今年の4月から自転車の「ながらスマホ」などによる罰則強化が行われる予定であるが、街中を見る限り「どこ吹く風」の様子である。最近は年齢もそこそこのオジサンも仲間入り?している。やっている連中は「自分は咄嗟に危険を回避できる自信をもっている」のか、減る様子はない。
当然片手運転になるのだが、脇道から人や車が出て来たときにブレーキをかけて安全に停止できるだろうか?多分答えは「No!」である。バランスを崩して転倒するか、人や車に衝突する・・・(当然スマホも破損する!)などの結果を生むだろう。下手をすると相手に重大な危害を与える可能性もある。
自分が「ながらスマホ」をやることでどのようなリスクがあるかを予知できていない人があまりにも多いのではないかと思う。自分はそうはならないと思っている、それが落とし穴なのである。もちろん、警察に検挙されるリスクもある。
そもそも自転車(だけではないが)を運転しながら、SNSや動画を見る緊急性や必要性があるのだろうか?
